Lapdog Lab

愛犬を中心に遠距離生活(日米)を送るマイペース夫婦が、リモートワークやペットライフなどについてのんびり書きます。

スタートアップ企業で働いて気づいたこと 大企業とはどう違う?

こんにちは。柚子こしょうです。

 

前回の投稿で書きましたが、2年ほど前までは、アメリカの IT 企業の本社で働いていました。その会社は大企業だったので、大きなプロジェクトを経験できただけでなく、社員教育やサポートも充実しており、在籍中は色々な学びや経験をさせてもらうことができました。今は縁があって、設立間もない、いわゆるスタートアップで働いています。この転職に関しても別の記事で書きたいと思っています。

 

今働いている会社は、アメリカに本社があるスタートアップで、私は日本での事業の立ち上げを担当しています。とてもやりがいを感じる仕事なのですが、同じアメリカの企業でも大企業とスタートアップでは企業文化が大きく異なると感じ戸惑うこともあります。自身の仕事での常識は前職の感覚をベースにしているためか、日々新しい発見やびっくりする事があります。そこで、私が感じた大企業とスタートアップの文化の違いをまとめてみました。

 

f:id:lapdoglab:20161103083711j:plain

 

 

【スポンサーリンク】

 

役員を含む社員が世界の各地からリモートワークしている

グローバル展開している会社であれば、社員が世界各地にいるのは当たり前ではないかと思われるかもしれませんが、ただ社員が世界中にいるという意味ではありません。社員が入社前からもともと住んでいた土地からリモートで働くことが可能になっているのです。

とても新しい企業のため、優秀な人材を採用するための一つの対策でもあるわけです。アメリカの場合、企業の本社は日本のように東京に集中しているわけではないので、転職のたびにリロケーションをするのは結構な負担となります。子供のことなどを考えて、リロケーションがある場合はその企業を見送ることもあるかもしれません。

 

もちろんこれは、すべてのポジションで許可されているわけではありません。米国本社には、多くのエンジニアやバックオフィスの人達がいます。本社オフィスに通っている人は、全社員の10分の1以下で、それ以外の社員は、自身の担当クライアントの近く等で働いています。実際私の上司は、本社がある西海岸ではなく、ボストンに住んでいます。本国のアメリカでも、多くの営業、技術営業、マーケティング職はいろいろな場所から仕事をしています。役員も同様で、必ずしも本社の近くに住み、本社に毎日勤務しているというわけではなく、いろいろな州に点在してます。

 

ちょうどタイムリーな記事を発見しました。

米国では62%の会社員がリモート環境で働く。求められる企業の対応とは?

そもそも国土が広く、経済活動も分散されているアメリカは、本社にみんなが勤務するというスタイルは効率的でないのかもしれません。

 

組織がフラットかつ横断的

組織が一般的な CEO をトップとした階層化組織ではなく、限りなくフラットです。唯一階層があるのが、CEO の下に各役割(営業、マーケティング、エンジニアリング)のグループだけで、その中は、ほとんど階層化されていません。

私の上司は、私が所属している部門の役員です。私は日本の営業責任者(カントリーマネージャ)とも連携はしますが、上司・部下関係(レポート)ではありません。同様に営業職以外は、海外の上司にレポートしています。

大企業でも新規ビジネスの場合には、同様な組織体系になることもあると思います。ある程度のビジネス規模になれば、各国もしくはエリア毎で様々な役割をもつ1つの組織(Subsidary)になるのだと思いますが、日本でのビジネスが立ち上がったばかりの会社では日本の組織だけでビジネスを回すということはほぼありません。

 

社内のルールやプロセスが確立されていない

当然といえば当然ですが、まだ立ち上げ間もないため、社内にマニュアルやプロセスのようなものはほとんどありません。たとえば、どのような指標でビジネスレビューをするべきか?というものが確立段階だったりします。また前例もほとんどないため、どのような作法でビジネスを進めるのが正解かというのが毎回手探りだったりします。まだ個々人の能力任せでビジネスを行なっている状況です。

最近になって、やっと本社からの定期的なビジネスのレビューが入っててくるようになりましたが、まだまだ単に数字をレビューするだけに留まっているように見えます。それ以上は、日本というマーケットがアメリカからすると特殊のため、どのように突っ込んだらいいかわからないというのもあるかと思います。

 

人事評価の仕組みが確立されていない

ビジネスのお作法も確立されていないのと同時に、人事的なプロセスもまだ確立段階です。評価システムや昇級システムはまだ明確に定義されていません。一応ツール的なものはあるのですが、システム自体が明確ではないと誰も真面目にツールを使用していません。大きな事を成し遂げた人や目立った人が昇級しています。まだ成長段階だからそれが正しいのかもしれませんが、この点に関しては、大企業の方が透明性は高いと思います。

 

共通の社内の用語や価値観が確立されていない

共通の言語や価値観が会社としてまだ確立されていないので、時に全社一丸となって協調して何かを行うのがとても難しいと感じます。とはいえ、スタートアップに入った時点で、何かを変えたいという情熱を持っている人が多いので、成長の勢いとそれらの情熱を原動力に、なんとか日々活動している状況です。

 

イントラネットが無い!

意外と衝撃的だったのがこれです。通常の会社ってイントラネットとインターネットという概念があると思います。今の会社には、イントラネットがそもそも無いです。じゃあ、どうやってコラボレーションしているのか?というと、メールとクラウドサービスです。そこで資料や情報を共有しており、慣れるとなんの違和感もないです。ここは、大企業ではすでに構築された様々な業務アプリやインフラがあるので一足飛びに全部クラウドにはシフトできないでしょうけど、意外となんとかなります。そしてシステムのお守りも最小限なのでコスト的にも会社に優しいでしょうね。

 

 

最後に、大企業と同じだなと思うのは、“できない人 (うまくパフォーマンスを発揮できていない人)”はスタートアップにも少なからず存在していることです。スタートアップには向き不向きがあるため仕方のないことかもしれませんが、大企業よりも一人一人の裁量が大きくなるのでパフォーマンスが発揮できないのは致命的です。それと、社内政治はスタートアップでも大企業と同様にあるという事です。そのあたりもおいおい記事にしたいと思います。

 

プライバシーポリシー

PAGE TOP