私は、前職でも今の会社でも、事業開拓にかかわる仕事をしてきました。現職では、日本市場でビジネスをしているパートナー企業経由で当社の製品を拡販してもらうための仕組みづくりをしています。
ビジネスを拡大するためには、計画の段階でまず「GTM」を作ります。外資で働いている方は聞きなじみのある言葉だと思うのですが、日系企業から転職されてきた方ではなじみがなかったようで、「GTM って何ですか?」と聞かれたことがあります。また、外資で働いている方も、部署によっては一度も聞いたことがない方もいると思います。実はマーケティング部門で働いている嫁にも、 GTM と他のビジネスプランの違いがいまいちわかっていないから教えてほしいといわれたので、せっかくなので記事にして説明しようと思います。
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GTMとは?
Go-To-Market の略です。どのように自社のサービスや製品を顧客に発信して、営業活動につなげていくか?という事をまとめたプランです。会社によってはビジネスプランや事業計画と呼んでる所もあると思いますが、それらはもう少し包括的範囲だったり抽象化されたもので、GTM はもう少し具体的な戦術を含む、マーケティング活動で範囲を絞ったプランです。例えば、特定のビジネス パートナーとの取り組みやそのターゲットなどが記載されています。
いつ作るの?
通常は新しいサービスや製品がリリースされた時や、会計年度が新しくなった時に「これからこの製品・サービスを、こういう方法で顧客にリーチして、販売するぞ!」という内容を関係者と共有するために作るのが一般的です。
どんな内容なの?
私がいつも作成している GTM が必ずしもベストとは限らないですが、私が作成する際には、以下のような項目を必ず含めています。
- 対象マーケット:どの市場(業種、顧客プロファイル、新規・置き換え、など)を目指して活動するのか?。また何故その市場を対象にするのか?の背景情報と共に、客観的な市場データを示すことが大切です。
- サービス・製品の特徴:自分達の強みや弱みを客観的に書き出す(SWAT 分析)。これをきちんと示すことで、対象マーケットや活動内容の説得力が増します。
- 戦術・施策:どのように顧客へ情報を届けるかの活動内容を示します。よくある IT 系で多い施策は、1) メディア(TV、紙媒体、ネット)での露出、2) セミナーなどでの啓蒙活動、3) Touch & Try など直接顧客に触ってもらう機会を作る、4)ダイレクトメールでお知らせ、などです。
- KPI:Key Performance Indicator の略で、各活動の目標指標を決めます。
- タイムライン:マイルストーンを設定し、具体的にいつ活動を行うかを示します。
GTM という言葉を聞くと、何か複雑でたいそれたものを作っていると思いがちですが、内容としては多くの人が作っている販促企画と大きな違いはありません。どの企画書もそうですが、体系立てて、ドキュメント化する事で計画が整理され、関係者と共通の認識を持つ事ができるので、きちんとした GTM 作りを心掛けたいです。