海外旅行や海外出張の時、入国審査の長い列や出国時に空港のセキュリティチェックにイライラすることはありませんか?
頻繁にアメリカと日本を行き来する私としては、このセキュリティチェックや入国審査待ちの時間を少しでも短縮したいと思っていました。アメリカの入国審査は、昔は今ほどは時間がかからなかったと思うのですが、9.11以降、審査が厳しくなり、一人あたりの審査時間が長くなっているようです。この入国審査待ちの時間を短縮できればなあと思っているのは私だけではないと思います。
私はグリーンカードを持っているので、アメリカへの入国は、アメリカ人と同じ列で入国審査を受けることができます。そのため一般外国人の列よりは少しは早いのかもしれませんが、それでも入国審査には常に長蛇の列ができています。最近では、入国審査にキオスク端末を導入した空港も増えきて、審査待ち時間の短縮が期待されています。ですが、慣れない操作に戸惑う人も多いせいか、今のところは待ち時間解消には至っていないように見えます。
そんなアメリカへの入国審査の時間を短縮する方法があるのをご存知でしたか?それは「Global Entry」プログラムというもので、私も以前からその存在は知っていたのですが、今回ついにその申請をしてみました。
Global Entry プログラムとは
事前に自身の情報を登録して、“Global Entry 資格” を得ることで、アメリカの入国審査を高速化できるプログラムです。この Global Entry プログラムは、米国税関・国境取締局 (CBP = Customs and Boarder Protection) というところがアメリカの入国審査の混雑を緩和するために試験的に施行しているそうです。
Global Entry 資格を取得すると、”Known Traveler Number” が与えられ、アメリカ入国時に ”Global Entry/Crew” と書かれた特別レーンを通ることができるようになります。そこでは、Global Entry キオスクという端末で、指紋の提供や税関申請などの入国の手続きを行います。
つまり、“Crew=航空会社の乗務員” たちと同じ高速な入国審査を受けられるようになるのです。
2016年11月現在、Global Entry のキオスク端末は、59のアメリカの空港で利用できます。日本人もよく行く、ハワイ・ホノルル空港にも Global Entry のキオスク端末は設置されています。
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Global Entry を申請できる人の条件
プログラムへの申請資格があるのは、アメリカ国籍もしくはアメリカの永住権保持者、そして CBP のホームページの Global Entry /eligibility ページに記載がある 国の国籍(パスポート)を持っている方です。日本人は現在はこれらの国に含まれておらず、現在検討段階のようです。なので現時点では、日本国籍の場合は、永住権(グリーンカード)を保持していれば申請することができます。ただし、L-1 や H-1 などのビザでは残念ながら申請することはできません。
Global Entry 資格のもう一つのうれしい特典。TSA Pre✓。
また、Global Entry 資格保持者には、TSA Pre✓ の資格も付与されます。TSA Pre ✓の資格を持っていると、アメリカ出国時、空港のセキュリティ チェックでTSA Pre✓ のレーンを利用できます。
Global Entry 資格を持っていなくても、直前の数週間中にアメリカに旅行や出張できていた場合などには、航空券にTSA Pre✓ と記載されていて、TSA Pre✓ レーンを利用できることがあります。私も出張で頻繁に来ていた時期はTSA Pre✓ になっていたことがよくありました。
TSA Pre✓ のレーンでは、以下のことが免除されます。
- 靴を脱ぐ
- ベルトを外す
- コートを脱ぐ
- パソコンを出してトレイに入れる
- 液体類のボトルをビニール袋に入れておく
TSA Pre✓ になっていると、早くから空港に行く必要がなくなるし、セキュリティチェックの時に荷物を取り出したりする手間が省けるのでとても助かります。
Global Entry 申請方法
Global Entryは、紙もしくはオンラインでの申請が可能です。申請費用は100ドルです。海外出張の多いアメリカのビジネスマンなどは会社が費用を負担してくれる場合もあるそうです。また、有効期限は5年間です。
オンラインでの申請方法は以下の通りです。
- GOES(Global Online Enrollment System)のページで、新規ユーザー登録をします。
- 登録した ID とパスワードで GEOS にログインし、[Apply for a Trusted Traveler Program] というボタンをクリックします。
- 指示に従って必要な個人情報を入力します。(国籍、永住権情報、US の運転免許に関する情報、過去5年までの住所、過去5年までの経歴・職歴など)
- すべての情報の入力が完了したら、手数料の100ドルを支払います。支払いにはクレジットカードが利用できます。
入力不備や、バックグラウンドチェックに問題がなければ、次のステップのインタビューに進みます。インタビューでは、Global Entry Enrollment Center に行って指紋の登録と写真を撮ります。
私は9月上旬にオンラインで申請をしました。そして、11月中旬に「Enrollement Center にきて登録を済ませてください。」と言うお知らせを受け取りました。約2か月待ちといった感じです。
Global Entry Enrollment Center でのインタビュー
先日、Global Entry Enrollement Center にインタビューに行って来ました。
受付で登録をし、名前が呼ばれたら審査官の所に行き、名前、住所、職業など自身の情報に齟齬がないかを口頭で質問されます。その後、写真撮影と指紋を採取して終了です。所要時間は15分程度でした。
Enrollement Center での手続きから2週間後には Global Entry のカードが届きました。こんな感じのものです。次回のアメリカ入国から使ってみたいと思います。