世間は今、トランプ新大統領の話題で持ちきりですね。トランプ氏といえば、不動産王で知られる大富豪ですが、アメリカを代表する大富豪といえば、やはり「石油王ロックフェラー」です。石油王ジョン・D・ロックフェラーが形成したロックフェラー財閥は、米国三大財閥の一角をなし、その一族は米国の政治の世界でも大きな影響力を持っています。
今回、友人から誘われたイベントで、そのロックフェラー一族の方に直接お会いしてお話を伺う貴重な体験ができたので、このブログで少し共有したいと思います。
参加したイベントは、品川で行われたニューヨーク大学 (NYU) の同窓会です。イベントは平日ということで、初めはあまり乗り気ではなかったのですが、ゲストスピーカーにロックフェラー財団のスーザン・ロックフェラー氏が来られるということで、なかなかない機会なので参加してみることにしました。
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ロックフェラー財団とスーザン・ロックフェラー氏
スーザン・ロックフェラー氏は、現在のロックフェラー財団の代表であるデービッド・ロックフェラー・Jr 氏の妻で、起業家、映像作成者であると同時に、環境問題、食料問題、貧困問題、PTSD など様々な社会問題に取り組む Protect What Is Precious という団体の設立者であり代表者です。スーザン氏の詳しいプロフィールに関しては、ご本人のサイトに掲載されています。スーザン氏が NYU 出身ということで今回のイベントへの夫妻でのご参加が実現したようです。
なお、夫であるデービッド・ロックフェラー・Jr 氏は、現在のロックフェラー一族の当主であるデービッド・ロックフェラー氏の長男で、ジョン・ロックフェラー氏のひ孫あたる方です。
スーザン氏のスピーチ
スーザン氏のスピーチは 20分ほどで、彼女の生い立ちと、何故彼女が社会問題に取り組んでいるかという点に関して話されていました。
スーザン氏の生い立ち:
- 自然に触れる機会が多い幼少期を過ごす。
- 大学では人類学を学ぶ。アラスカでイヌイットと3年暮らした経験がある。
- NYに戻り映像とライターの仕事を行う。
- 映像とライターのスキルを使って、様々な社会問題を広く発信し始める。
彼女がスピーチの中で強調していた点:
- 人生は短い。自身が人間として何故生まれてきたのかを問わなければいけない。
- 一人一人が地球の環境に対して責任を持つ必要がある。それは自分達の子孫に対しての責任であるから。
- 私達はデジタル時代に生きており、その中で失われていく大切なものにも目を向け耳を傾けなくてはいけない (Art of listening and counseling) 。
- 様々な社会問題に対して Sustainability(持続可能性)を考慮して取り組む必要がある。
彼女が幼少から自然に対し強い関心を持ち、人生を通じて取り組んでいるというのが良く伝わりました。また、自然や環境という、目を背けがちな地球規模の問題に関して、映像を通じてメッセージを発信することで、大きな視野を持ってアプローチをしようとされていると感じました。
また、スーザン氏は、日本には10年ほど前から毎年訪れているそうで、日本の農業、漁業、わびさび、絵画、書道などの文化に興味を持たれているそうです。
スピーチ後は、旦那様であるデービット氏と共に Q&A 対応をされていました。
その後の立食タイムでは、参加者が個々に話をできる機会が設けられ、ご夫婦別々に長蛇の列ができていました。
私は、スーザン氏のスピーチに関することを質問したいと思ったので、彼女の列に並びました。15分ほど待って、ようやく私の番になったので、まずは名刺交換をして簡単に自己紹介し、質問をしました。
私はスーザン氏のスピーチ内で出た sustainebilityという点に関して以下のような質問をしてみした。
「資本主義に加え、ITの発展もあり、個人も社会もより短期的な結果を求める風潮が強くなっているように感じる。Sustainability を念頭に置いて日々生きたいとは思っているが、そのような社会背景のため理解や合意を得るのは難しいと感じる。スーザン氏には現代社会はどのように見えますか?その課題にどう取り組んでいますか?」
私の質問に対し、スーザン氏の回答は以下のような内容でした。
「その通りだと思う。簡単な解はないと思う。ただ、Sustainability の理念について根気よく話をして、一人でも多くの賛同者を得ることが大切。希望はある。例えばユニリーバのポール・ポールマン氏は、 Sustainability を掲げてグローバルでブランドのある会社を経営している。そのような人達が増えてくれば変わっていくはず。」
家に帰って調べてみたところ、ユニリーバのサイトで実際に、 Sustainability について言及されていました。
たまにはこういう場に参加して、普段とは違う刺激を受けるのは大切だと感じました。
余談ですが、立食で出たご飯がすごく美味しかったです。名前を紹介することはできないのですが、業界では有名なケータリング屋さんとのこと。NYU はこんなところにまで、ネットワークを持っているんですね。うらやましいです。笑